・行政書士の記述式問題で全然点数が取れない…
・解答の手順が良く解らない…
行政書士試験においての記述式問題は、毎年多くの受験生の悩みの種となっています。
記述式問題の成績が悪くても、択一式問題の得点次第で合格することも可能ではあります。
しかし、記述式問題には部分点もあるので、できるだけ得点を稼いでおきたいところですね。
今回は、独学で行政書士試験の合格を目指す人のために、記述式問題の取り組み方を解説します。
この記事の目次
記述式問題の要「民法」と「行政法」
行政書士の試験範囲はとても広く、中途半端にいろいろな科目に手を出しても合格することは難しいです。
そこで、配点の大きい「民法」と「行政法」の問題にまず取り組むようにしましょう。
まず民法ですが、行政書士試験においては総則、物権、債権総論、債権各論、親族・相続法の5つが出題されます。
全11問あり、択一式問題9問、記述式問題2問という構成です。
民法を勉強するうえで1番重要なのは、勉強する項目の順番です。
民法の記述問題は、債権総論から多く出題されます。
テキストに従って1ページ目から順に勉強していくと、総則などの勉強が中心になってしまい、後半の債権総論の勉強が疎かになってしまう危険があります。
記述式問題の対策をするなら、まず債権総論から学んでいきましょう。
記述式問題は理解した内容を文章にしなければならないため、ただ答えを丸暗記するだけでは得点できません。
問題集を解いたときは、正しい解答と自分の書いた解答を比べて、書き方を学ぶ癖をつけましょう。
行政法は配点がとても高く、行政書士試験において勉強すべき最重要科目です。
行政法の勉強は主に行政法総論、行政手続法と行政不服審査法、さらに行政事件訴訟法と国家賠償法、地方自治法の4つの分野に分けて取り組む必要があります。
行政法総論は抽象的な項目が多いので、ほかの行政法の勉強をした後で勉強するほうが効率的です。
行政手続法と行政不服審査法の分野では主に条文知識が出題されます。
2つの法律の似通った条文の違いなどが出題される傾向にあるので、表を作って比較するなど工夫が必要です。
行政事件訴訟法と国家賠償法の分野でも、出題されるのは条文の知識が多いです。
とくに行政事件訴訟法については、出訴期間と原告適格などの違いがよく出題されます。
どのような事件に、どのような訴訟類型が適用されるのか、しっかりと事例とともに覚えるようにしましょう。また、この分野では判例も良く出題されるので、重要な事例の概要や判決理由を理解しておくことが大切です。
最後に、地方自治法です。この分野まで手が回らないという人も多いですが、問われる知識が少ないので、しっかり勉強すれば得点源にできます。
確実に勉強しておきましょう。
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記述式問題の基本的な解答手順
行政書士の記述式問題には正しい「解答手順」というものがあります。
まず、どんなことが問われているかを正確に見極めることです。
何が求められているのかを見誤ると、最後まで的外れな文章を書いてしまうからです。限られた時間の中で最善の解答を作るためにも、問題をしっかりと見るようにしましょう。
2つ目は、しっかりと答えを形にすることです。
例えば、「どのようになったとき」に「どのようなことが主張できるか」という問われ方をしたとします。
これに対して、「このようになったとき」に「このようなことが主張できる」というように、オウム返しのような解答が必要になるのです。
この形を考えずに、ただ条文や判例を書き連ねるだけでは、問いに対しての答えになっていないので、減点される可能性が高いです。
記述式問題の参考書などの解答をそのまま暗記して試験に臨むと、間違った書き方をしてしまうことがあるので、日頃から意識して解答を作るようにしましょう。
3つ目は、2つ目で作った答えの形に条文・判例の知識を埋め込んで肉付けすることです。
当たり前ですが、基本的な知識が欠けていれば答えの形がわかっても文章を完成させることができませんので、毎日の勉強を怠らないようにすることが大切です。
問題集や過去問の記述式問題に取り組む際は、これらの手順を守って解答することを心がけてください。
行政書士試験の記述式問題には、過去に出題されたものと似たような問題が出題されることも多いです。
過去問を使って、正しい解答の練習をしておきましょう。
記述式問題で日頃から気を付けるべきこと
日頃から意識して取り組む必要がある点として、まずわかりやすい簡潔な文章を書くことが挙げられます。
採点者が一回読めば理解できるように、求められていることを明確に書き、余計な表現は避けるようにしましょう。
問題に合わせた適切な法律用語を使うことも必要です。
行政書士試験の記述式問題は論文ではないので回答スペースが限られています。
そのため、短く適切な法律関連の単語をいかにうまく合わせて解答できるかどうかが重要になってきます。
さらに、法律用語の正しい使い方ができているかに配点がなされているので、法律用語についての勉強を日頃から行うことが大切です。
また、漢字の勉強も重要になってきます。文字で見ると単純な漢字が、本番で書けずに点を落とすということがよくあります。
少しでも書けるかどうか不安な漢字は、リストアップするなどして書く練習をすると、思わぬミスを防ぐことができるでしょう。
行政書士の試験ではしばしば定型文のような共通のフレーズが見られます。
そういったフレーズを覚えておくと、本番で時間の節約となるので、より多くの問題に取り組むことができるようになります。
最後に、独学だとそういう機会を得るのは難しいかもしれませんが、自分の書いた文章を人に見てもらうとよいでしょう。
自分では正しい文章が書けていると思っても、他人から見るとわかりにくいといったことがあります。
他人の客観的な意見は非常に参考になるので、評価してもらえる機会を作るよう努力してみてください。
記述式問題のポイントをおさえて勉強すれば独学でも合格できる!
行政書士試験は、宅建士や税理士のように相対評価ではなく300点中180点以上取れれば合格という絶対評価方式です。
受験生のレベルで難易度が変わるということはありませんので、非常にシンプルな試験といえるでしょう。
さらに、行政書士試験は受験資格に学歴の制限がありません。
主婦や高卒の人、フリーターなど、経歴に関係なく、合格すれば「行政書士」という肩書を手に入れることができます。
まさに実力勝負の世界ですので、努力次第で人生を大きく変える可能性を秘めた、魅力ある試験なのです。
まずは配点の高い「民法」と「行政法」をしっかりと勉強しましょう。
民法に関しては、債権総論など記述式で出題されることが多い分野がある程度決まっているので、ピンポイントで学習することができます。
行政法は、行政書士試験の中でも1番配点の割合が高い科目です。
範囲が広いので、行政法総論、行政手続法と行政不服審査法といったように、分野ごとにメリハリをつけて学習することが大切です。
記述式問題は理解したことを文章にする必要があるので、ただ暗記するという勉強法は避けましょう。
問題集や過去問に取り組む際は、何を問われているのかを正確に把握し、正しい解答を心がけましょう。
行政書士の記述式問題のまとめ
まとめ
①解答の手順を見極めてから書き始めること
②できるだけ他人に解答をチェックしてもらうこと
行政書士試験の記述式問題は適切な勉強をすれば得点しやすい問題ばかりです。
大切なのは間違えた問題をそのままにしないことです。
本番で同じ問題が出題されたときにミスをしないよう、なぜ間違えたかなどを書き込んでおきましょう。チェックを入れておけば本番前に見直すことが容易になり、直前の勉強の効率が上がります。
独学で行政書士試験に合格することは容易ではありませんが、正しい勉強法を実践すれば可能です。
努力が報われやすい試験ですので、前向きに取り組み合格を目指しましょう。
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