・行政書士試験で大切な民法はどう勉強すれば良いの?
・民法は丸暗記だと点数が取れないって本当?
行政書士の試験範囲は膨大で、闇雲に勉強していただけではなかなか合格できません。
合格率を上げるためには優先して勉強するべき科目が存在します。
それが行政法と民法です。
なぜならこの2つは配点が大きく、これらを勉強するだけで合格点にかなり近づくことができるからです。
ただ、民法は行政法よりも難易度が高いので効率が一層求められます。
この記事の目次
試験の形式や出題範囲に注目!民法の分野と学習をする順番
行政書士試験における民法の試験問題は総則、物権、債権総論、債権各論、親族・相続法の5つに分かれています。
全部で11問あり、その内五肢択一式が9問、記述式が2問という構成になっています。
配点は五肢択一式が1問4点の計36点、記述式が1問20点の計40点です。
その内、前者は6問以上正解、後者は1問完答でもう1問が6割解答というのが目標となります。
そこで重要なのが勉強をする順番です。
多くの人はテキストの順番に従い、民法の勉強を総則からおこないがちです。
しかし、そうすると、どうしても後半の分野が駆け足になり、学習が不十分になる可能性が高くなります。
一方、五肢択一式の過去問における出題傾向を見てみると、年度ごとのばらつきはあるものの、債権各論の出題数が多いことが分かります。
つまり、前から順番に勉強をしていたのでは、重要ポイントである債権各論の問題を落としてしまう可能性をはらんでいるのです。
そのため、民法を勉強する際には1順目は総則から順番に勉強をしたとしても、2順目からは債権各論から勉強をしていくなどの工夫が必要になってきます。
ちなみに、親族・相続は例年出題数が少ないため、こちらは2順目以降も勉強する順番は最後で問題ないでしょう。
次に、記述式ですが、こちらは債権総論からの出題が圧倒的に多く、他の分野からはほぼ均等に出題されています。
したがって、記述に関しては債権総論を重点的に学習していくことをおすすめします。
民法の勉強法で大事なのは見やすいテキスト選び!
民法に限った話ではありませんが、試験勉強をする上でテキスト選びは非常に重要です。
とはいっても出版社によってテキストの内容が極端に変わってくるわけではありません。
どれを選んでも試験に必要な内容は一通り網羅されているはずです。
それでは何を基準にテキストを選べばよいかというと、まずはざっと中身を見たときにあなたが見やすいと感じるかどうかです。
これは一人一人の好みの問題ですが、見にくいと感じるテキストは読み手の理解を阻害し、勉強するのが次第に苦痛になってきます。
そうならないために、自分の好みに合った見やすいテキストを選択することが重要なのです。
その点、多くの受験生に人気が高いのがフルカラーのテキストです。
重要度に応じて色分けされているので覚えるべきことが印象に残りやすいという利点があります。
ただ、だからといって、誰にでもフルカラーのテキストがおすすめかというと、必ずしもそういうわけではありません。
色はないほうが見やすい、あるいはマーカーを使って自分で色分けした方が覚えやすいという人もいるからです。
大切なのはあくまでもあなたの好みです。
購入前にはよく目を通し、内容が頭に入ってきやすいかをチェックしましょう。
それでも購入後に合わないと感じたならばテキストを購入し直すのもよいでしょう。
テキスト自体は大した金額ではありませんし、それで合格につながるのならその方が安上がりだからです。
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民法では思考力の鍛錬が重要!常になぜその答えになるかを考えよう
民法は他の科目と比べ、私たちにとってより身近な問題を扱っています。
初心者にとってはとっつきやすい学問だといえるでしょう。
したがって、最初は実際の出来事と照らし合わせながらテキストを読んでいけば学習もはかどる受験生が多いです。
ただ、身近なテーマなので学習を始めると細かい部分が気になり掘り下げたくなるのが問題です。
あまり細かいところまで学習をしてもそれが試験に出題されることはありません。
そこで、民法を勉強する際には過去問や模擬テストなどを通じてどこまで掘り下げる必要があるのかを体感で覚えていくことが大切になってきます。
次に民法の学習で意識しておきたいのは他の科目以上に思考力が必要だということです。
少なくとも、丸暗記では実際の試験では全く歯が立たないでしょう。
そのため、民法の学習をおこなう際には常に、「なぜそうなるのか?」「どうしてそのような判断が下されるのか」といった問題について考え続けることが重要になってきます。
中でも常に念頭に置いてほしいのが「この状況で一番守るべきなのは誰か」といった問題です。
もし、答えが分からないときでも一番権利が守られるべき人は誰かといった考えに沿って選択肢を選べば正解を得られる確率は高くなります。
もちろん、それで絶対に正解というわけではなく、例外も存在します。
これはあくまでも傾向にすぎません。
しかし、出題範囲の膨大な民法の試験で少しでも得点を稼ぐにはこうした傾向を把握し、正解が分からない場合は確率の高い方を選べるようにしておくことも必要になってくるのです。
過去問の有効活用と分野ごとの勉強法
民法と行政法は共に行政書士試験に合格するための重要科目ですが、その出題傾向には大きな違いがあります。
行政法は過去問を丸暗記すれば答えられる問題もかなり出題されますが民法は丸暗記で対応できる問題が極端に少ないです。
そのため、民法に関しては過去問を勉強しても意味がないという人さえいます。
しかし、決してそんなことはありません。
意味がないのは過去問を丸暗記することであり、正しい勉強法に基づいて過去問を活用すれば合格に近づく大きな原動力となります。
その方法というのが、出題された問題の意味を理解しつつ、思考力を高めることです。
そうすることで、本番の試験でもおのずと正解を導き出せるようになってきます。
とはいえ、基本となる条文や判例を覚えていなければ思考自体ができません。
したがって、まず条文をある程度覚え、その上で、過去問に取り組んで思考力のアップを狙うという順番での学習が大切になってきます。
条文はかなりの数があるので手当たりしだい覚えるのではなく、分野ごとに分けて学習するのが効率的です。
その際、重要な鍵を握るのが総則です。
総則は民法の大枠を規定しているものなので、最初に条文の内容をしっかり学習することで民法全体の意義や本質を理解できるようになります。
次に物権ですが、これは債権との違いを説明できるようになれるかが大きなポイントです。
物権と債権の違いはとても抽象的で分かりにくく、逆にいえばここをきっちり学習すれば物権に対する理解力は一気に高まります。
一方、債権総論は記述式の問題が多いので理解した内容を文章にする力が求められます。
問題集や過去問を解いたときは解答と見比べ、どういう書き方がよいのかを自分なりに習得していきましょう。
債権各論においては13の典型契約があり、その中でも特に重要なのが「売買」「賃貸借」「請負」「委任」「譲渡担保」の5つです。
まずはそれらの暗記からおこなうのですが、その際には実際の事例を思い浮かべながら学習を進めていけば効率よく覚えていけるでしょう。
最後の親族・相続は丸暗記でも問題を解くことができる比較的簡単な分野です。
過去問や問題集を単純に解いていくだけでもある程度の点数は稼げるはずです。
それから、過去問に取り組むのは出題傾向を知る上でも大きな意味があります。
民法の勉強法まとめ
まとめ
①民法は試験範囲が広いので勉強法を意識して進めるべき
②「誰が守られるべきか?」を考えると覚えやすい問題も多い
③行政法と違い民法は丸暗記では点が取りにくい
民法の出題範囲は膨大です。
それをすべて完璧に勉強しようとすれば時間がいくらあっても足りません。
そこで、過去問に取り組むことで出題傾向を理解し、出題頻度が極端に少ないテーマは学習を後回しにすると効率的にすすめられます。
時間がなければ勉強しなくてもよいといったぐらいのつもりでいましょう。
以上のように、民法に関してはいかにして無駄をへらし、効率よく学習を積むかが重要なポイントとなります。
自分にとって最も効率の良い学習法を確立し、合格への一歩を踏み出していきましょう。
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